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1843億、埋蔵金化 バブル期出資の「運用型」基金(産経新聞)

 ■低金利で非効率「見直し必要」

 国の出資金を原資とし、独立行政法人や公益法人が運営する基金のうち、バブル期に新設、または出資金の積み増しが行われた「果実運用型」が10基金あり、出資総額は1843億円にのぼることが6日、産経新聞の調べで分かった。運用型は出資金を取り崩さず、預金利息などの運用益だけで事業を行うため、巨額の元手が必要だ。低金利時代には極めて非効率とされ、専門家は「高金利に沸いたバブル期ならともかく、現状の運用益はわずか。出資金も塩漬けで埋蔵金化しており、運用型の在り方自体の見直しが必要だ」と指摘している。(調査報道班)

 産経新聞の調べによると、省庁が所管する独立行政法人や公益法人が持つ運用型基金のうち、全額国庫返納や廃止が決まっていないのは計21で、出資総額は2937億円。うち10基金がバブル期(昭和61年度〜平成3年度)に新設、または積み増しが行われた。総額は10基金で2245億円、22年度の一部国庫返納予定分を除いても1843億円にのぼる。だが「低金利のため、昔ほどは運用益は出ていない」(吉野川水源地域対策基金などを所管する国土交通省水源地域対策課)という。

 文部科学省所管の独立行政法人「日本スポーツ振興センター」には、スポーツ振興基金として、2年度に国が250億円を出資。同基金はスポーツ団体の指導者育成事業などへの補助を目的としたもので、年間5億〜6億円程度の運用益で活動を行っている。

 外務省所管の独立行政法人「国際交流基金」には昭和47年度、50億円が出資され、バブル期の積み増しを含め総額は942億円にのぼる。来年度に342億円が国庫返納される予定だが、まだ600億円が残る。

 運用型基金は非効率な上、特にバブル期に出資があった基金はバブル経済ありきで、過大な運用益を見込んだものともいわれる。問題の10基金は、まさにバブルの名残といえそうだ。

 出井信夫・東北公益文科大学教授(公共経営論)の話「運用型は出資金が長期間、塩漬けとなり、一種の埋蔵金と化す。バブル期にはそれなりの運用益が見込めたのだろうが、不況で低金利が続く中では非効率。ゼロ金利時代を生き残ったのは、チェックが働いていなかったということ。本当に存続させるべき基金かという点だけではなく、運用型という基金の在り方自体も見直す必要がある」

                   ◇

【用語解説】果実運用型基金

 原資には手を付けず、預金の利息のほか、国債や地方債の利子などの運用益「果実」を使って事業を行う基金。原資が減らない一方、一定の運用益を捻出(ねんしゅつ)するためには巨額の資金が必要だ。基金にはほかにも、原資を取り崩す「取り崩し型」、資金を貸し付け、回収して再び貸し付ける「回転型」、保有する基金を背景に債務保証などを行う「保有型」がある。バブル崩壊後の地方自治体では運用型を取り崩すなど柔軟に対応しているケースも多い。

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